はじめに
こんにちは。KLab株式会社クリエイティブ部TA(テクニカルアーティスト)グループのmasahideと申します。
今回は弊社のTAの業務内容や新人TAとして入社した私がどのような業務を行ってきたのか紹介していきたいと思います。
『TAの業務に興味はあるけれど、実務経験が無いため転職となると不安』と考えている方や
『そもそもTAってなに?』と言う方に特に読んでいただきたい内容となっております。
TA(テクニカルアーティスト)とは?
弊社におけるTAはクリエイティブ全体の品質向上や制作効率化に向けて、クリエイターとプログラマーの橋渡しを行う職種になります。
品質向上や制作効率化につながる事の中でも特にTAが主に行っている業務内容は下記になります。
- MayaやMotionBuilder, 3dsMax等のDCCツールやUnity, UnrealEngine等
- ゲームエンジン上で動作する業務効率化用のツール作成
- 処理負荷の計測(プロファイリング)
- 描画関連の処理負荷改善
- 新しい描画表現の提案、開発
- ワークフローの策定、整備
新米TAの業務内容
私はKLabに入社するまでコンシューマゲーム開発のプログラマーとして4~5年ほど開発をしてきたのですが、KLabに入社した時点でTAの業務は未経験でした。
そのため入社当初は自分がTAとしてやっていけるのか?多少の不安もありました。
そんなTAとしては新米の私が入社してから行ってきた業務内容の一部をご紹介させていただきます。
1.Unity用のポストエフェクトツール作成
UnityのInspector上でチェックボックスをON・OFFするだけで簡単に各種ポストエフェクトを実装できる機能です。
Unityは公式でPostProcessingStackと言うポストエフェクトツールを出しているのですがそれをモバイル向けに軽量化したようなツールになっています。
2.プロジェクトで使用されているシェーダーのリスト化
「他のプロジェクトでどのようなシェーダが使用されているのか分からない」「使い方が分からないシェーダーやパラメータがある」などの問題が発生していたため、
KLabではシェーダーを管理するためのWebサイトを作成しています。
そのシェーダー管理用のWebサイトのベースになる情報を下記のようにリスト化する作業になります。
最終的に、作成したリストを元に下記のようなWebサイトを作成しています。
サイト化することで、シェーダーに詳しくないクリエイターの方が直観的に見ることができるようになるというメリットがあります。
3.処理負荷の計測(プロファイリング)
UnityのProfilerやSnapdragonProfilerを使用して処理負荷の計測を行い、処理負荷が高ければ担当プログラマ・クリエイターにアラートという形で報告します。その後自身で高速化のためのチューニングも行いました。
4.Unityでのテストカットシーン作成
Mayaのモデルとアニメーションデータから「Unityへのインポート作業」や「アニメーションの割り当て」「エフェクトの設定」などを全て行いました。
こちらの作業は本来TAがやるような内容ではなくCGアーティスト向けのタスクなのですが、UnityとMayaに関する知識を付けるのに最適だったため、習得を兼ねて担当させていただきました。
5.Unityの作業効率化ツールやShaderの作成
・Unity上で動作する動画キャプチャーツール作成
・カードイラストを綺麗に見せるためのシェーダの作成
・ある案件においてはPrefabごとに言語を管理しており、それらを一つ一つ作るのは大変なので、簡単にコピーできるようにするツールを作成。
TAになって苦労した(している)事
TAは【クリエイターとプログラマーの橋渡し】と言う立場上、双方の考え方を理解する必要があります。
しかし私は前職がプログラマーだったため、クリエイターの方々が普通に持っているような知識や技術を持っていない、という事がよくあります。
例えば3Dモデルの確認をしている際、先輩のTAは
「ポリゴンの割り方が汚い」
「ボーンウェイトの付け方が悪い」
「UVがおかしい」
などモデルデータの細かい良し悪しを指定できるのですが私にはその細かい指摘が出来ません。
これでは描画の知識があるプログラマーがクリエイターとやり取りしているのと変わらないためクリエイター向けの勉強に取り掛かりました。
具体的には
「Unity上で動作するカットシーンを一から作る」
「3Dモデルにウェイトを付ける」
など、といったクリエイター向けのタスクをこなしつつ知識を付けていっています。
クリエイターにとって面倒で時間のかかる作業を実体験する事でどのようなツールを作成すればクリエイターの作業を効率化できるのか分かるようになります。
そういった意味でも大変よい経験になっています。
KLabは技術情報を集めやすい!!
KLabは職種問わず社員の皆さんが新技術にとても強い関心を持っており、社内での情報共有がとても盛んです。勉強会がよく開催される社内のチャットグループでは毎日大量の技術情報がやり取りされています。
例を上げるとR&Dグループは毎日のようにHDRPやHoudiniなどに関する情報をやり取りしておりR&Dグループではない私もその情報を見ることができます。
私は特にTAとしての知識に乏しい部分があるため大量の情報を集めやすいKLabの環境はとてもありがたいと感じています。
例:R&Dグループのやり取り
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TAグループは現在人員強化に力を入れており、社内/外問わずTAを募集しております。KLabでのTAの仕事に興味がある!!という方はこちら
最後に...
入社当初は自分がTAとしてやっていけるのか?多少の不安はあったのですが、無事にTAとしての第一歩を踏み出す事が出来ました。3ヶ月間KLabで働いてみてKLabは技術者として成長していくにはとても良い会社だと強く感じています。
今後社外にもいろいろな情報を発信できるような凄いTAを目指していきます。
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